実行委員会代表
インクルーシブ友の会会長
島 信一郎
本日は、北海道ユニバーサル上映映画祭公式サイトにご訪問いただき、まことにありがとうございます。
私たちは、2006年に「映画のユニバーサルデザイン」を目指してこの映画祭をスタートさせました。本当に多くの皆様に支えられ、継続的に地域を越え(北斗市・函館市・七飯町)開催を続けてくることができました。
私自身、一視覚障碍者として、以前まで映画は全く縁遠い存在であると考えておりました。しかし、映画を愛する多くの方々の情熱に接し、映画芸術の奥深さを知り、そして今は、開催を重ねるごとに、人の温かさ・マンパワーのすばらしさをしみじみと実感させていただいている次第です。
「感動は心を育て、分かち合いは心を繋ぎ、優しさを無限に広げてくれる」
共に感動を分かち合いたい!!
そんな思いを一人でも多くの人に伝えて行きたい。この「ユニバーサル上映」を一つの文化モデルとして広く発信し続けて行きたい。心からそう願っております。
そして、この「みんなで楽しむ映画祭」は、笑顔あふれるみんなのお祭りとして、これからも皆様と一緒に暖かく育てて行くことができたならば、この上なき幸せであると、強く!強く感じております。
2006年の以前、当地域ではいくつかの自主上映サークルが、単発ながらも、積極的に手づくりの字幕や音声ガイドを製作し、障碍者の方々にも映画の感動を届けようという取り組みが行なわれてきました。その気持ちとノウハウを一つにし、継続的に発展させていこうという呼びかけによりスタートしたのが 「ユニバーサル上映映画祭」の始まりです。
当初は、それぞれが新しい発見の連続に戸惑いながら、まさに暗中模索の毎日。そんな中、私たちの心を一つにしてくれたのが「ユニバーサル」の意でした。
それは、誰もが無理なく共有する「普遍」の広がりを、まずは私たちみずからが喜びを持って実践すること。それも自然体で。
あらゆるプロセスにおいて、様々な立場の人たちがより多く、より深く関わることで、互いを知り、認め合う心を広げて行き、その一つ一つをどこまでも繋ぎ合わせて行くこと。その過程こそが、私たちの思い描く「みんなで楽しむ映画祭」そのものであったのです。
今後、私たちのこの小さな歩みは、作品に精一杯の魂を込めて作られた監督を初めとする全ての製作関係者の皆様の熱い思いを、ご鑑賞いただいた皆様の心に届けると共に、それぞれの胸に広がって行く感動の共有という暖かな波紋。これらの決して目には見えない計り知れぬ力を大きく一つにしながら、必ずや 「ユニバーサル上映映画祭」という大きなスクリーンに…、いや、未来の社会という無限に広がるスクリーンに、全ての人が待ち望む名作を送り出してくれるものと信じて止みません。
最後に、障碍の有無や種別を問わず私たちを一つにしてくれる社会の総合芸術「映画」に、心より敬愛の念を表させていただきます。
今後とも何卒よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。